Q:住宅を安くつくる方法で規格住宅と言うものを知りました。箱の形や大きさはほぼ同じで、間取と内装だけを変えられる仕組みでした。要は設計図の使い回しですが、それで本当に安くなりますか。

菅沼:時間の節約ということでは、安くなるはずですが・・・。


設計図を使い回せば設計に掛ける労務費が減少することはもちろんです。

設計事務所においてはこれが利益率に直結するわけですから、出来るだけそうしたいと考えるはずです。


これが工務店の場合は、家の規格化は設計のみならず監督や職方の慣れが仕事全体の効率を上げることにつながります。

規格化がもたらす原価低減効果は設計事務所よりも大きいでしょう。


ここで、市場で売られているものの値段は誰がどうやって付けているか、という根本的な問題に気が付きます。

設計の規格化で設計費や建設費の原価は確かに安くなるでしょうけれど、それを販売価格に反映させずに利幅を増やすという方向に進むことは、ごく普通に考えられます。

下がった原価を販売価格に反映させて価格競争力を付けるという方向に向かうかどうか、これは経営者次第です。


設計事務所に設計を依頼する人の特性は、設計の規格化に馴染むものなのでしょうか?

工務店の設計施工で建てられる家においては、施主の幅の広さから設計の規格化が馴染む可能性を感じます。


住宅の規格化の目的は、安くなることを強調することで注目されるところにあります。

自由を犠牲にする、自分のわがままな欲望を我慢する、その代わりに価格が下がる、という施主心理の天秤を利用しています。

しかし規格化の本音は、施主に対して先手を打って設計することで面倒な打ち合わせに発展することを回避する、ということにもあるでしょう。


これらを理解していれば、規格住宅かどうかとは別に、自分の欲しい家かどうかだけを見て判断すればいいでしょう。

2014.11.30