土地に立って

施主が選んだ土地に初めて立った時に、最初に考えることは何か?

 

私たちは設計者として、施主が購入した土地を紹介されることから仕事が始まる。
実は土地探しから家づくりは始まっているのだが、私たちが土地探しから関わることは少ない。いつ決まるかわからない自分の土地についての相談となると、施主としては気が引けるのも理解出来る。

その土地に立ってまず考えるのは、
・地形から想像出来る地盤の成り立ち(地盤の強度や土質について。盛り土か切り土かなど、改良工事の予想。水はけの善し悪し。)
・敷地内外の高低差(擁壁、深基礎、排水ポンプアップ装置などが必要か?)
・敷地外への排水経路(浄化槽をどこに設置するのか?)
・前面道路の給水管の有無(道路舗装の復旧工事は大金がかかる)
・土地までの道の広さ(搬入車両で4トン車が入れない場合、生コン単価が跳ね上がる)
・電線の張られ方や電柱の位置(移設が必要か?子柱が必要か?)
などがある。
こうして思い浮かべると、まずどうやってそこに家を建てるのかということを現場監督的視点で見ているようだ。

次に計画的な視点になって、周囲の建物や樹木の状況、見える遠景、前面道路の交通量などを観察する。
どこに建物を配置するのが最良か。敷地の中を歩き回って想像を巡らす。
敷地の中にどのような生活が展開され得るか、何もないところで可能性を想像する。(菅沼)