オリンピック選手村宿舎

代々木運動公園内には、1964年東京オリンピック開催時の選手宿舎が保存されている。

あの代々木第一体育館と同時期に建てられた選手村の宿舎である。

このころの建材と今のそれとで目立つ違いは、外部建具がアルミサッシではなく木製建具であること、屋根にはセメント瓦が載っていることなどであろう。

断熱材も全く入っていない可能性が高い。

ケラバの出は300mm程度である。

窓や小屋裏換気口の大きさや位置が整っていて、良いプロポーションである。

 

代々木公園は選手村だった。

 

垂木の先端は斜めにカットされており、軒先を薄く見せている。

 

建物の裏側にある上げ下げ窓。

バランサーは無いと思うが、ダブルハングなのだろうか。

 

モルタルの外壁がいい質感を出している。

低コストで最大の室内容積を生み出しつつ、プロポーションの整った形を実現している。

これは経済合理性を追求した木造建築物の普遍的な姿なのだろう。(菅沼)