「おゆみ野の家」2部屋の床材が廊下でつながる場合

ドア下に沓摺がない最近の建具枠では、廊下を介して隣の部屋と床材がつながっていることも珍しくない。

間に壁がある2部屋に同じフローリングを廊下で跨いで張る場合、どうやって実(さね)を一致させるのか。

左の部屋と右の部屋は、手前の廊下でフローリングがつながる。

この場合、左の部屋の掃き出しサッシから張り始め、廊下の1枚目まで張り進める。

 

右の部屋は廊下から張り始める。

写真では、すでに張られている廊下の1枚目から1枚だけ同じ向きで戻り、女木側の本実をフロアネイルで留めている。

ここで実の向きを変えるため、次のフローリングの女木側を突き付けて床用接着剤で固定する。

実の向きが入れ替わった後は、壁まで普通に張り進む。

 

接着剤が強力だからこの方法が可能になる。

どうしてもフロアネイルで固定する必要があれば、雇い実(やといざね)を使う。

 

女木同士を突き付けて釘が打てないため、接着剤が固まるまでの間だけ押さえ付けている治具。

 

無垢材のフローリングは微妙に寸法が異なることもあり、張り始めが一致していても、別々に張った場合に20枚先で実が一致することは稀だろう。

 

こうした施工の工夫は完成してしまえば分からなくなる。(菅沼)