古民家改修2・四方鎌継ぎ

玄関土間に置かれた敷台の陰がシロアリの食害を受けており、隣接している柱の根元もシロアリに食われていた。

ここが20mm程度沈下していたため、根継ぎして交換することを決めた。

油圧ジャッキと支保工で梁の下端を支え、丸ノコを入れる。

 

厳島神社では、柱や床束の根継ぎに金輪継ぎが使われているのを見たことがある。

ここでは棟梁のやる気に任せて、四方鎌継ぎとしている。

組み上がった継ぎ手を見る限り、どのようにすれば組めるのか分からない不思議な継手なのだが、組む前の形を見るとなるほどと納得する。

 

根継ぎが終わって、敷居も交換し、床組を行う。

 

昔の材料は「分(ぶ)」が決まっていないものが多く、その場その場で材寸を合わせていく必要が出てくる。

根継ぎした柱は4寸5分角で、現在は需要が無いため市場には無く、近くの製材所で挽いてもらった。

その他の材料も材寸調整のために可搬型自動カンナ盤を現場に持ち込んでいる。