引渡しの説明が終わり、荷物が運び込まれた家に施主が初めて泊まる日である。
困難な条件の多い建設だったが、不可能なことではなかった。
予想通りの結果を導けたことに安堵した日だった。
ここまで大した問題も無くこられたことの根底には施主の協力的な姿勢があったことを明記しておきたい。(菅沼)
長柄の家の増築の状況。
風呂と脱衣場が無かった家に、左写真の左側のように二部屋が増築された。
風呂場の窓は、北側の山の森を見るために2枚引き込み木製建具を計画している。
右2枚の写真は、付いたばかりの外付け窓枠の様子。
この辺りは大工技術の見せ所である。
材料には桧の無節を使っている。
窓枠が付くと、内観・外観共に完成に近づいて、仕上がりが想像出来るようになる。
右の写真は、風呂桶に座って見えるであろう北側の山の景色である。(菅沼)
竣工間近の袖ヶ浦の家。
この家は、当事務所で主に軸組みの請負と監理業務を担当した。
その他は、施主自ら基本設計を行ない、施主自ら工事を管理した。
外観。
カラーガルバリウム鋼板の屋根と窯業系サイディングの外壁。
全体の形態は、私の自宅に似ている。
内部の様子。
赤味を帯びている床は樺のフローリング。
施主(リフォーム工務店)の打ち合わせにも使われる巨大なテーブルが中央に配置されている。
「勝浦の家」の玄関ポーチ兼渡り廊下の様子。
以前の家は右側の白い外壁に密着していた。
以前と同じような密着した増築をしなかったのは、区分登記をするためである。
建築基準法では増築、登記では独立した住居、という条件を満たすためにこうした方法となった。
木製のデッキを敷くと雰囲気が一変する。
渡り廊下の屋根の上には物干し場を載せた。
アルミ製の骨組みに木製の床板と腰板を張った半既製品のバルコニーである。(菅沼)
浴室は十和田石とサワラの板で仕上げます。下地の防水はFRP防水を選択しました。
防水層の強度を出すために施工するガラス繊維。
ガラス繊維を貼り付けた上にポリエステル樹脂を塗りつけていきます。
この工程を2回繰り返します。
外部の足場の解体の様子。
近隣との距離が離れているので、メッシュシートは張っていない。
足場が透け透けの状態であっても、撤去後にはスッキリとした感じがある。
家の周りをうろついて、外観を眺めてみたくなる。(菅沼)
ハウスクリーニングの最後の工程は床のワックス掛けである。
今回の材料は「リボス:メルドス」である。
玄関から最も遠い床から塗り始めて、最後に玄関から出る。
使っているのは6インチの短毛ローラーである。
杉板の床は吸い込み量が多く、ローラーを使うと効率が良い。
照明器具を取り付けて、工事も最終段階に入った勝浦の家の様子。
照明器具とエアコン、スイッチやコンセントのプレート類、リモコン、これらが次々と取り付けられていく。
照明器具が付いた途端に生活が見えてくるのだ。
長生村から勝浦へ行く道を海沿いではなく山側にすると、中間地点にこの荒木根ダムがある。
鬱蒼とした山道から少し外れると、この開けた風景が広がる。
ダムへ行く途中の道から見えた農家。
屋根はメッキ板金生地となっているが、元は萱葺きだろう。(菅沼)
海から300mくらいの立地での塩害の様子。
左の写真の窓ガラスに付いている汚れには、海から運ばれてくる塩が含まれている。
この窓がある南面以外の3面では。窓ガラスにこのような汚れは付いていない。
中央の写真は、2階南面のテラスドアの上側の丁番である。
拭けば落ちるのだが、さびが出ている。
右の写真は下側の丁番で、錆びは上に比べると少ない。
これは軒下で雨が掛からない上の方が塩害の影響を受け易いということの表れだろう。
雨仕舞いや日射の遮蔽やデザインの好みから軒を出す建物を常に考えてきたが、海に近い立地の建物で塩害対策だけを考えた場合、軒を全く出さずに雨で外壁を洗えるようにした方がいいのかもしれない。(菅沼)
「勝浦の家」で進行中のしっくい塗りの様子。
施主と共に進めたこの工程もほぼ完了である。
壁にしっくいが塗られると、目の焦点が定まらないほどの白さになる。
部屋の印象が全く違ったものに変化していくのがよく分かる。
この視覚的なものが与える感覚は、何度経験しても新鮮な驚きがある。
最後の一袋になったしっくい。
塗った人によって仕上がりに違いがある。
これもいつものことである。(菅沼)
井戸ポンプの制御盤を、電気の勉強のために観察した。
この現場では受水槽に付いている給水ポンプは単相100Vを使っているが、井戸ポンプは三相200Vを使っている。
ボックスの下から来る配管は右から、単相100V電源、三相200V電源、アース、三相200V負荷、単相100V負荷、である。
一番左は「モーターブレーカー」。
過負荷がかかった時に回路を遮断する。
その隣は井戸ポンプを手動で動かすときと自動運転とを切り替えるスイッチ。
これはこの現場に既存のものをそのまま利用しているが、新しい受水槽では手動で動かすような装置はないので、自動運転側に常に入れっぱなしである。
その右側には「熱動継電器(サーマルリレー)」がある。
これも過負荷がかかった時に熱で作動する回路保護スイッチである。
一番右側には「フロートレススイッチ」がある。
これはかつて使われていたが、今回の受水槽では不要となった。
一番下に付いているのはコンデンサーである。
担当の電気工事士に訊いたら、三相200Vで動く機器には必ず付けるのだそうだ。
サーマルリレーのフタ内側に貼ってある説明書き。
私には慣れない難しい図なのだが、じっと見ているとなんとなく分かってくる(様な気がする)。
電源から負荷側へ過剰な電流が流れると、並列に繋いである図中央のヒーターの発熱でバイメタルが動き、回路を遮断する。
あまり関わることのない受水槽について。
これが1000リットル受水槽の全景。
左から来る白い配管(保温材が巻いてある)は井戸ポンプからの給水管である。
タンクの上に載っている四角い箱の中身はタンク内の水を押し出す給水ポンプである。
これが井戸と井戸ポンプである。
このポンプはこの現場に既存のもので、動力電源(三相200V)で動いている。
井戸の中には昔からきれいな水が湧いている。
最近完了したリフォーム現場の抜粋記録。
アルミサッシの結露水と埃で、カビが付着している。
なぜこのようなことになったかを考える。
・埃を取り除く掃除を怠った。
・水分を出す石油ストーブを使った。
・カーテンを閉め切ったままにしていた。
・部屋を乾燥させるような換気をしなかった。
リフォーム後の状態。
現場の段取りは次のようになる。
まず、ハウスクリーニング業者を手配して、どこまでカビが落ちるのか、確認する。
アルミサッシは綺麗になるが、ビードのカビは完全には除去出来ない。
次に内装業者を手配してビニールクロスを剥がす。
表面だけを剥がす作業は、専門業者に任せたほうが良いだろう。
塗装業者を手配して、塩ビシート貼りの窓枠に白のウレタン塗装(2度塗り)を施す。
ビニールクロスを貼る。
ハウスクリーニングをする。
もし、サッシのビードを交換するようであれば、現場で一枚一枚を分解してビードを交換しなければならないため、35坪くらいの普通の住宅であれば3~4人工程度掛かると考えられる。(菅沼)
玄関の床タイル貼りの様子。
もちろん、床タイルを貼っている最中は立ち入り禁止である。
タイル下地を作るための道具類。
くし鏝が特徴的である。
接着時の締め固めにはタイル用のバイブレータが使われる。
タイルを切断するためにはこのような台が使われる。
切断時の細かい粉塵は下の箱に落ちて、集塵機に吸い込まれる。
このセットで、90%以上が集塵されているように見える。
タイルをきれいに切断するには細かい刃が必要である。
刃物が大事なのはどの職種でも同じだ。
高価な刃は長持ちするが、安価な刃をどんどん取り替えるのも有効だろう。
ダイヤモンドカッターの刃も大工の替え刃式鋸と同じだ。(菅沼)