今日は基礎(耐圧版)の生コン打設日である。
時間に追われるこの日は、なんとなく落ち着かない。
自分で作業するわけではないから、なおさらだ。
最初の生コン車が到着した。
コンクリートポンプ車に生コンが投入される。
コンクリートポンプ車のアームは、隣地の上空を建設地へ向かって、隣家をまたいで伸びている。
もちろん、隣地にお住まいの方の許可を頂いている。
筒先では、生コンが出始めた。
打ち込みが進んでいく様子。
鉄筋がどんどん見えなくなっていく。(菅沼)
この時期(2月19日~3月4日)、勝浦の漁港近くでは街をあげての雛祭り行事が開催されている。
各店先には雛壇が設置されて、雛人形が飾られる。
これは現在進行中の現場近くにあるお寺の山門前の雛壇。
こちらは、施主自ら製作した雛人形。
店舗併用住宅なので、営業を続けているお店の前に飾られている。
材料は全て「貝殻」。
一つ一つの表情を思わず見てしまう。
「ひなまつり」というよりも・・・「カーニバル」ような賑やかさ。
一番端にいた「過保護の子」。
うーん・・・施主のこの着想の基は何なのだろうか・・・・・・(菅沼)
一年ぐらい前から飼っているコザクラインコを時々部屋の中で飛ばしています。
アフリカの鳥のお面は、まさか『止まり木』になるなんて思ってもみなかったでしょう。
夫の写真も役に立っていますね(笑)写真は私も同行したスペインの「ドニャーナ国立公園」の砂丘です。普段は意識しなくなった壁のインテリアも彼らが注目させてくれて遠い思い出話に花が咲く、・・・というのは一瞬で終わり、木をかじらないか、写真にフンを落とさないか、気が気じゃなくて目が離せない時間になります。(郁子)
通称 『サイコロ』 と呼ばれている鉄筋スペーサー。
耐圧スラブの配筋で使用されているこのスペーサーは、40mm・50mm・60mmの被り厚さを確保するために用いられる。
写真は土に接する部分の異形鉄筋D13で、地盤に接する面から被り厚さ60mmを確保している様子である。
このサイコロを上下逆に使うと、U字型の窪みが深い側に鉄筋が入り、被り厚さは50mmとなる。
横に使うと40mmになる。(菅沼)
建築業界では断熱性や耐震性を研究している人はたくさんいますが、建材の耐久性や耐候性を研究している人はほとんどいません。
材料としての劣化試験は開発段階で受けているでしょう。しかし建築物に使用されてからの、部位としての劣化は、業界を通じてのまとまった知識が乏しい、というのが実感です。
2000年に施行された品確法の性能表示制度では「劣化の軽減」という項目がありますが、内容は貧相なもので、現実的とは言えません。
それは、写真のような破風板などの細かいところに触れていないからです。
このような破風板の劣化は、運が悪ければ建物に致命的なダメージを与えます。
写真は板の継ぎ目が腐って穴が開いている様子です。
板の張り方に問題があって、塗装の防水性が無くなれば水が入り、乾きづらい環境であればこのように腐ります。
このケース、非常に多く見られます。
板の腐りぐあいを触ったり、叩いたりして強度を確認します。
改修の仕方は、板を交換して塗装するのではまた同じことを繰り返すので、解体をせずにガルバリウム鋼板を被せるという板金工事での対応を採りました。(光治)
今日は『一度見ておかなきゃリスト』に入っていた乃木坂の国立新美術館へようやく行ってきました。
ホールのベンチに座って建築を眺めていたのですが、黒いリブ天井は日差しを受けるとほこりが目立ちそこだけレトロな雰囲気。(天井を凝視している人は私だけですね、すみません。)
「ここは誰の設計だったかしら」と家に帰って検索したら、黒川紀章だったのですね! それで想い出して探した下の写真は、おととし撮った黒川紀章設計・1971年竣工の佐倉市役所です。
市役所に入ると黒天井に白の市章が真っ先に目を惹きます。今のグラフィティ好きの若者に受けそうです。
41年たってもインパクト強し。一度見たら忘れません。 (郁子)
根伐り底に撒くための砕石の様子。
これは「RC 0-40」と呼ばれる再生砕石である。
RCとは「Recycled Crusher-run」のことで、0-40とは砂から最大寸法40mmの砂利までの混合物の意味である。
粒度が揃った砕石は値段が高く、ランマー填圧時の締りが悪い。
仕上がり面とするにはなんとなく見た目が良くないのだが、0-40は良く締まる。(菅沼)
根伐り底に砕石を敷いてタンピングランマーで締め固めている様子。
ランマーでは締め固めを行うが、捨てコンクリートを打つ前には振動プレートコンパクターで砕石層表面を平滑にする。
写真では、土に水分が多く、締め固めのためにセメントを混ぜて吸湿しながらの作業の様子が写っている。(菅沼)
外房の気合の入ったサーファーのためのシャワーブース。
この季節でも波が良ければ海に出るそうです。
素材は耐候性の高いサイプレス(オーストラリアヒノキ)を使い、金物は最小限に抑えて在来工法で組みました。
閉塞的にならないように横に張った板の枚数とその隙間で開放感を調節しています。
当事務所では、屋外デッキなどでもサイプレスを採用することを勧めています。
この材料は耐候性・耐久性が高い割に割安感がある価格だからです。
サイプレスは重い材料なので、扉が自重で変形してこないように筋違いで補強している様子が写真に写っています。(光治)
浄化槽の設置で活躍するキャタピラ運搬車。
車道に停めたダンプから山砂を積んで30m運搬し、手動で荷台をダンプさせている。
搬入経路の最大幅が1,200mmしかないこの増築現場では、この運搬車が大活躍だ。
写真は浄化槽の周辺に山砂を詰め込んでいるところ。
浄化槽が計画建物の基礎に近接しているため、RCの箱を作り、その中に埋設している。
隣地との境目に設置しているコンクリートブロックの運搬でも、この車はなくてはならない。
これはどちらかというと農業向けの機械だ。
建設現場では、出来れば登場願いたくない車両である。
困難な条件下ではとてもありがたいのだが・・・(菅沼)
この場所だからこそデザインが効いたアシメトリーの暖炉です。
この場所とは、平らな壁面の中央ではなく表情が変る(左ガラス面)ポイントになる場所です。
L型の幅や奥行きのバランス、いいですね!(郁子)
photo:Los Angeles Times
既存建築物の解体が終わると、次にすることは地盤調査である。
この地盤調査は、地耐力(地盤の強度)の測定と沈下の予測が目的である。
この調査は専用の測定機器を使用することとデータ解析が必要なことから、専門の業者に依頼する。
地盤調査を行うことは法的な義務である。
具体的には、
『 建築基準法施行令 第2節 構造部材 第38条 』
『 国土交通省 告示 平成12 建告1347号 』
の2つで決められている。
以下、主に木造住宅に関係する内容を抜粋する。
施行令 第38条 3
建築物の基礎の構造は、建築物の構造、形態及び地盤の状況を考慮して国土交通大臣が定めた構造方法を用いるものとしなければならない。(以下省略)
平成12建告1347号
建築基準法施行令第38条第3項及び第4項の規定に基づき、建築物の構造方法及び構造計算の基準を次のように定める。
第1
令第38条第3項に規定する建築物の基礎の構造は(中略)、地盤の長期に生ずる力に対する許容応力度(改良された地盤にあっては、改良後の許容応力度とする。以下同じ。)が1㎡につき20kN未満の場合にあっては基礎ぐいを用いた構造と、20kN/㎡以上30kN未満の場合にあっては基礎ぐいを用いた構造またはべた基礎と、30kN/㎡以上の場合にあっては基礎ぐいを用いた構造、べた基礎又は布基礎としなければならない。(以下省略)
つまり、地盤の許容応力度が分からないままでは基礎の設計は出来ないから、地盤調査は義務となる。
木造住宅の地盤調査には、費用の掛からない簡便な方法が用いられる。
写真は、「表面波探査法」 という方法で調査を行なっている様子である。
表土に含まれるガラが多いというのが選択の理由となっている。
地盤の許容応力度を求めるための地盤調査の方法は、『 平成13国交告1113号 』 で10種類が定められている。
この表面波探査法は、上記告示の「第1 六 物理探査」に該当する。
もうひとつ、多く採用される方法は「スウェーデン式サウンディング」(SS試験)である。
この調査方法は同告示の「第1 三 静的貫入試験」に該当する。
SS試験で許容応力度を求める計算式は、同告示の「第2 (3)」に定められている。
それぞれの方法は得意・不得意の土質があり、状況に応じて使い分ける。(菅沼)
勝浦漁港近くで見つけた標識。
元禄大地震(1703年12月31日)で押し寄せた津波の高さが示されている。
道路に立つとちょうど目の高さ(1.7m)になる。
写真の水路の先はすぐに海となる。
水没する街を想像しようと思っても、実感が湧かない。
元禄大地震では、私達の事務所がある長生村でも津波が浜から内陸5kmまで到達し、犠牲者は900人だったそうだ。
5kmというと、ちょうど事務所の辺りまで津波が来たことになる。(菅沼)
古くなった木製雨戸と外付けアルミサッシを交換する工事です。
築30年以上は経っているこの家の外壁はリブ付きカラートタンです。
既存の外付けアルミサッシは取り外して、新規に外付けペアガラスサッシを取り付けます。
既存の木製戸袋は解体します。
サッシと戸袋に掛け渡してある小さな庇の板金を残して、木部を取り去ります。
大工と板金職との合番(あいばん)で、納まりの打ち合わせをしながら工事を進めます。
とにかく丁寧な解体が肝心、防水処理にも細心の注意を払います。
防水にはブチル製防水テープとシリコンシーリング材を使用します。
新しく取り付けたサッシ上部の水切り板金処理を終えたところ。
外壁を伝う雨水はこれでサッシの外側へ導かれます。
サッシの交換は、モルタルや窯業系サイディングの外壁に比べて板金の外壁だと工事がやり易く、改修工事に向いている外壁材だと言えるでしょう。(光治)
切り抜き01のリビング。
白いソファーについて。白いソファーは人を選びます。
マメな手入れができる人、または専門業者に年に一度クリーニングを頼める人。
さらにジーパンを穿かない人。(色落ちするものはNG)
どれも当てはまらない上に子供がいる私にはハードルの高いカラーです。
友人は HUKLAの白いソファーにいつも厚手の布(これも素敵)でカバーしています。
私と娘が訪ねるとカバーはそのままなので安心してチップスをポリポリ・・
お客によってはカバーを外す事もあるそうですが、選ばれたいような、 選ばれたくないような(^^)
私にとってそのままでは寛げない白いソファーですが、それを選択できる人には憧れます。(郁子)
photo:Los Angeles Times
我が家の2階の配線はこのように分電盤から出て行く。
見えているVVFケーブルはφ2.0mm。
このあと、勾配天井下地まで上がって行き、φ1.6mmのFケーブルにジョイントされて照明器具やコンセントまで下がってくる。
天井裏がある通常の住宅では、電気配線は天井裏を走って壁の中へ下がってくる。
私の家の場合は1階の電気配線が分電盤から下へ出て行き、床下でジョイントされて壁の中を立ち上がって、照明器具やコンセントに接続される。
この方法だと、大雨などでかなり高い水位の床下浸水が起こった場合は、ジョイント部分の配線がすべてダメになってしまう欠点がある。(そのような事態はこの土地では記憶にないと近所のおばあちゃんが言っていたので安心しているのだが・・・)
電気配線を意図的に見せることはほぼ皆無である。
しかしこれも壁内や天井裏や床下に隠蔽されることで、仕組みが分からなくなる。
どこをどうやって電気が流れてきているのか、私は見えていた方がいいと思っている。(菅沼)
配管や配線は、「見たくないもの」なのだろうか?
これは、我が家のレンジフードから伸びるスパイラルダクトで、「ダンスリム」というダクト用断熱材のアルミ箔が見えている。
排気の温度を考慮して、アルミ製のジャバラにはしていない。
本来は天井裏に隠されるべきものと考えられるが、我が家の場合は隠しようがなく、気にしないことにしている。私は気にならない。
水道の配管、エアコンの配管、電気の配線、これらは隠蔽が基本である。
しかし隠すことで、仕組みが分からなくなる。
私の場合、何が何でもこれらを隠すという感覚は昔よりも薄れて、見えている方がいいとさえ思う。
仕組みが分かることで、安心感や面白さが得られると感じているためである。(菅沼)