私事ですが、昨日まで沖縄に帰省していました。今回の帰省目的は「お墓の引越し」です。
この写真は以前のお墓です。沖縄といえば有名なのは亀甲墓ですが、うちのお墓は山を削り石で作った珍しいお墓です。 私の夫(考古学専攻)が「自分もここに入りたい」と絶賛したこのお墓はアクセスが極めて悪く、大げさに言えばジャングルの中にあるので、親しか道を覚えてないことやハブの危険も考えて場所を変えることにしたのです。
「おじいちゃんは戦争中、この中に家族で隠れて生き延びたんだよ」小学生の孫達は目の前の光景に「えー、ほんとにー!!」と実感をもって驚いています。この中に約20名(半分は子供)入ったそう。まさに防空壕として命を救ったお墓です。
名前もありません。
引越し当日は豪雨!!
納骨の前にお墓の中に私と母と妹の3人が入りお祝いの歌に合わせてみんなで手拍子、4曲目はカチャーシーを踊りながら後ろ向きで出てきます。写真は出てきたところ。「景気づけ」だそうです。もっと大きいお墓だと三線(サンシン)を中で弾くこともあるそうですが、うちは弾ける人もなく狭いので住職持参のテープでした。
納骨の後は雨にも負けず、みんなでお料理をいただいて儀式は終りました。写真下に写っている陶器は厨子甕(ずしがめ)です。(郁子)
十和田石の接着の様子。
十和田石は『凝灰岩』である。
接着前にはこうして水に浸ける。
同じく凝灰岩である天然砥石も、研ぐ前に水に浸ける。
水に入れると、しばらく気泡が出続ける。
接着モルタルを塗ったところ。最初に全面に薄く塗り付ける。
接着の直前にモルタルを団子状に盛り付け、圧着する。
貼っているところは堀ごたつの中である。(菅沼)
外壁の雨掛かり部に使われる板壁。
左官壁の風化を防ぐために下部の方ではこのような方法が採られてきた。
厚さ四分の杉板を胴縁に留めた後、このように『ささら子』で板を固定する。
この押し縁で杉板の反りを押さえる。
ささら子を作るための型板。
杉板の反りに合わせて丸みが付けてある。
この加工にはバンドソーが使われる。
丸ノコを横にスライドさせて切削する専用の加工機もあるが、私は実物を見たことがない。
出隅はバンドソーでの加工が出来ない。
これだけはノミによる加工が必要である。
和風の住宅では当たり前のように見かける板壁であるが、製作には手間が掛かっている。(菅沼)
ユニットバスではない現場製作の浴室では、湿気や水掛かりの対策に工夫が必要である。
サワラの羽目板が浴室に張られたところ。
基本的には水を掛けてはいけない。
しかし、もし水が掛かった場合には壁の内部へ水を呼び込んではならず、浴室内へ水を排出する必要がある。
ここには非常に細かい配慮がある。
サワラ羽目板の下端小口には勾配を取ってあるのが分かる。
石材(十和田石)との境目にある見切り材はL字型に加工されており、奥には立ち上がりがある。
羽目板の裏面を伝ってくる水滴はこの見切り材で内壁表面へ出される。(菅沼)
壁の仕上げ工事においては『ちり』の処理が見栄えに影響を与える。
これは左官壁の『ジュラクサンド』(合成樹脂接着剤を含有する製品)による壁のちり。
左官職はこの柱のちりを刷毛でふき取って仕上げる。
こちらは塗装(AEP)による壁のちり。
ほんの少しだけ枠材に塗膜を掛けている。
塗装仕上げは『マスキング』で決まるといっても過言ではないだろう。(菅沼)
夏の暑さを一時でも忘れるために高い所へ行きたくなるのがこの時期だ。
ここは長野県の北八ヶ岳・縞枯山の山頂付近である。
高度2400mもあると、日差しの中でも暑くはない。
登山道の登り口にある縞枯山荘には太陽光発電装置が設置されていた。
最近載せたのかと思ったら、実は15年前からやっているとのこと。
2KW/hの発電力があり、現在はバッテリーも備えているとのことだ。
山荘の中に入ってみると、「照明が暗いこと」の説明があった。
以前は暗いことでクレームもあったそうだが、最近は「エコの最先端」と評価されるらしい。
蓄電を使い切ったら、灯油ランプに火を灯す。
これは昔と変らない習慣だと聞いた。(菅沼)
改修工事が始まって2ヶ月が経ち工事は仕上げ段階に入っています。
キッチンが取り付けられました。L型でワークスペースが非常に広いキッチンです。
人工大理石は2箇所で溶接しています。
既存部分との違和感をなくすために外壁をウォールナット色で塗装しているところです。
塗装しない木製建具の枠とのめりはりがつきます。
タイルの外壁を解体して南京下見板張りにします。大工の高度な技術を要するところです。
収納を造作しています。観音開きの戸は少し大きめにして枕棚も使いやすいようにしています。上部は垂れ壁を設けず開放して、湿気がこもらないように配慮しました。
中段はひのきの縁甲板を使いました。最近の押入れはセットものを使うことも多くなりましたが、今回は職人の手作りです。
十和田石でエプロンを造っている様子です。湯桶を床よりも30cmほど上がったカウンターに置いて使います。
「睦沢の家」の完了検査が終了した。
9月の外構工事を残して、引渡しとなった。
施主が描いた平面図に私たちが矩計りを与えて、この家は設計されている。
広い土間の作業場では、農作物の出荷準備が行われる。
そのほかはきわめてシンプルに、夫婦の個室が2つと大きなLDK、水周りとなっている。
無くてもいいものはすべて省略している。
この潔さは、人生で家作りは3回目という施主ならではの達観を感じる。(菅沼)
十和田石を張る下地を作っているところです。
上部はサワラの板張りになります。
一度塗りつけたモルタルを荒らして、2度目のモルタルを塗ります。
直接石を張る面になるので、慎重な作業になります。
エプロン部分の下地をブロックを積んで作っています。
2段になっている下の段は湯桶を置くカウンターの下地になります。
右側には風呂蓋を置くスペースをとりました。(光治)
新築工事の引渡し直前には大量の発泡スチロールが廃棄される。
設備機器の梱包に使われていた緩衝材である。
これは発泡スチロールを電熱線で溶かす装置である。
近所の産業廃棄物処理場にあった。
溶融されて圧縮された発泡スチロールの塊が機械から出てきたところ。
板状になった発泡スチロール。
もう発泡ではないため、ただの「ポリスチレンの板」と呼ぶべきか。
発泡スチロールは80~90度で融解する。
発泡することによりポリスチレンの体積は50倍になる。
Wikipediaによると、日本では年間20万トンが生産され、60%が容器、30%が緩衝材、10%が建材やブイなどとして使われている、とのことだ。(菅沼)