古民家改修・K邸

2023年6月竣工 いすみ市

 

解体中に出てきた札の年号から、築150年は経っていることが分かった。

最初に建てられた元の家は茅葺の民家で、近所の人の話では40年ほど前に瓦葺きに改修したとのこと。

巨大な小屋裏空間に入って軸組を見ると、数々の改修の歴史の痕跡が見て取れる。

 

Before

正面右側に増築されていた倉庫を、屋根を残して壁を撤去した。

これにより居室の採光と通風が元に戻り、下屋の下も物干しや物置として便利な空間になった。

4枚片引きの店舗用アルミサッシを外付けで新規に設置している。

外壁の傷んだ部分は、新しい杉板に置き換えている。

 

Before

広大な土間空間に床を張り、LDKを新設している。

間仕切りに使われていた板戸は透明ガラスを入れた框戸に置き換えて、視覚的な開放性が向上した。

空調機器を効率的に使うには、こうした間仕切り建具が有効だろう。

元々の床の高さが4つあったので、2つに揃えている。

LDKの床は大判タイル、フローリングは無垢桧。

新規の壁の漆喰塗は施主施工。

南側に水廻りを新設するので、排水管の勾配が床の高さを決める。

 

Before

6帖の畳敷きだった2階和室の床を抜き、吹き抜けとして開放している。

これにより1階に光が差し、2階の子供スペースともつながる。

天井を杉羽目板で張り直し、隙間を極力なくす努力をしている。

 

Before

正面から見て左側の書斎。

桧フローリングを張り、壁天井を漆喰塗として、全く別の空間になった。