※各物件の施工中のブログは「施工事例・新築工事」「施工事例・改修工事」の
(詳細はこちら)からご覧ください。
打合せの途中で、プランがまとまった頃に施主のAさんが模型を作ってきた。
こちらはCADによるパースを中心にしているので、久々に見た模型だった。
これを見ていると、もう家が建ったような気分になる。
9月6日の上棟の様子。
屋根は2.5寸勾配で、作業時は上を歩き易い。
勾配天井部分は断熱材のおさまりのために落とし込み垂木を入れている。
新築の横にあるのは茅葺屋根を瓦葺き屋根に載せ替えた母屋で、築100年くらいは経っているとのこと。
この新築が行われているところにも古い納屋が建っていた。
その納屋の土庇を再現すべく、玄関横に屋根下の外部スペースを計画している。
この家は許容応力度計算によって、耐震樋級3を取得している。
(菅)
もうすぐ完了検査を控えたT邸の工事記録。
写真は4月1日の上棟の様子。
1枚目は小屋束を垂直に保つための上り梁を入れている様子。
2枚目は屋根断熱の厚み155㎜高性能グラスウールを垂木間に入れるための落とし込み垂木を入れている様子。
野地板は厚12の針葉樹構造用合板。小屋裏に部屋を持つ2階建てで屋根勾配は5.5寸勾配。
下屋部分には玄関と水回りなどが納まる。
屋根葺き材は、JFE製カラーガルバリウム鋼板「極みMAX」厚0.35を使った、セキノ興産「立平ロック20」。
初めて採用した色のスターゴールドは、落ち着いた雰囲気を出している。
構造用面材はノボパン。
この家には近い将来に薪ストーブを設置するという計画があり、眼鏡石を壁の中に予め設置している。
外壁は施主が塗装した12×180の杉板を120mmの間隔をあけて張り、左右30mmずつを重ねてその上に同材を張る大和張りとしている。
外壁材が縦張りなので横胴縁となるが、透湿防水紙の上を流れる水を横胴縁で堰き止めることが無いように、7×45の通気胴縁(木摺り)で横胴縁24×48(桟木)を浮かせている。
杉板を留めているステンレススクリュー釘は1層目38mm・2層目50mmで、木摺りのお陰でかろうじて透湿防水紙を貫通しない。
外壁内を通った空気は軒天井の裏へ流れ、野地板の下に取り付けた「通気くん」の30mmの通気層を通り、棟木に取り付けた換気部材と棟木付近の軒天井の換気口から外へ抜ける。
(菅)
施主は近所の里山散策の最中にこの土地を見付けた。そこから土地売買の交渉が始まり、ようやく建設までたどり
着いた。その過程での体験は、実際に行動した人にしか分からない手応えがあったことと思う。
土地購入後も、複雑に分筆されていて所有権が分かれている位置指定道路、その道路に埋設されていて利用出来るかどうか分からない給水引込み管、雨が降ると車が走れないほどぬかるむ進入路、など解決しなくてはならない条件が続いた。
建物の計画が終わり、建設作業が始まった。
上棟の日は好天に恵まれた。
ここまでの道のりからすると、現場での一連の作業は次々とあっけないくらい短時間で終わてしまうと施主は感じるかもしれない。
(菅)
全熱交換機へつながる断熱ダクト、給水給湯の架橋ポリエチレン管、2階トイレとミニキッチンからのVU防音排水管、分電盤に集中させているVVFケーブルと幹線ケーブル、LAN配線用のCD管、停電時に切り替わる4回路分のバッテリーへのケーブル、などが見えている。
排水管は勾配を取る必要があるため自由にならず、換気用ダクトの方がよけている。
防音排水管はパイプスぺースを設けて壁の中に納める。
居間の上部にある大きな吹き抜けに架けられた仮設足場の様子。
作業を安全に効率よく進めるためには、足場をしっかりと作る手間を惜しんではいけない。
足場を作るために時間がかかっても、結果的には早く終わることが多い。
安全で効率を上げる仮設足場は、出来栄えにも良い結果をもたらす。
DIY漆喰塗では、最初に物入などで慣れた後に広い部屋を塗る。
(菅)
昨年の夏から始まった「鴨川の家2」の記録。
国道からそれて延々と山道を上ると敷地にたどり着き、絶景を眺めることが出来る。
砂利道から反対側の南の隣地境界線まで4m以上下がる高低差を克服するために、高基礎を2m立ち上げて基礎内を物置として使うことにした。
このような高低差がある敷地の場合、建設費総額の1/3近くを基礎工事が占めることになる。
根伐り量を減らすため、基礎を小さくする工夫として1階木造部分の南側を基礎から910mm跳ね出すこととした。
さらに高基礎は外周のみ土留めとして設定し、基礎内部は木軸で1階床を支える構造とすることで基礎工事の価格を落とした。
房総半島は泥岩で地形が出来ている。
ここも少し掘ると泥岩が出てくるため、地盤は安定しているが根伐りには時間が掛かる。
1階床組には大工2人で2日を要したが、基礎工事2か月の後、ようやく上棟となった。
施主は電気職人なので、電気工事と仕上げ工事(大工・建具・設備設置)を自分で行う。
当方は屋根・外壁・断熱材取付・水道配管と浄化槽などの工事を行う。
(菅沼)
土台敷きと同時に足場架けが始まりました。
毎日天気予報が気になります。来週火曜日に上棟です。
M
「当社の家づくりQ&A」について補足していきます。
今回は「3.コストはどのくらい?」について。
この項ではコストの目安について述べていますが、「インフラ整備を除く」としています。
そのインフラ部分のコストについて説明します。
インフラ整備とは、主に公共の上下水道と接続するための費用です。
当社の施工エリアでは下水道はほぼ整備されておらず、合併浄化槽を設置することがほとんどです。
この場合、浄化槽で基準値以下の水質にした汚水を道路側溝や決められた河川に流します。
側溝や河川までの距離があるとそこまでの配管の費用が嵩みます。
近くに側溝などがある場合は合併浄化槽の設置だけなので最小50万円程度で済みますが、側溝などへの距離があるとトータルで150万円程度掛かることもありました。
道路側溝などの排水設備が近くに無い場合、宅地内処理となります。
土質や地下水位により採用する処理方法は異なりますが、ここにも50万円以上の費用が発生するケースがあります。
同様に上水道も引き込み費用が敷地によって変わります。
道路本管が敷地に近く、さらに砂利舗装などの場合は50万円程度で済むこともありますが、道路本管が県道の反対車線などの場合は150~200万円程度掛かることもあります。
配管ルートが公道をまたぐと埋め戻しのアスファルト舗装の範囲が広くなり、舗装復旧費だけで150万円程度掛かる、などということがありました。
この他、軟弱地盤の場合の地盤改良工事が必要となり、杭打ちなどに80万円程度かかることがあります。
このようにインフラ整備のコストは敷地条件によって大きく変わります。
建築コストというより土地購入費用の一部と考えるべき条件と考えます。
これは土地の価値とも言えるもので、土地購入の交渉の際に「上水道の引き込みの費用を考慮した値段にして欲しい」という条件を付けることも考えられます。
インフラ整備のコストを視野に入れると、古屋付きを物件の方が利点がある場合もあります。
解体費用が100万円程度掛かったとしても、少なくとも上水道は必ず引き込まれているからです。
土地購入の価格の判断において、解体費用とインフラ整備の費用を確認して比較することが必要です。
土地探しの際には、このことを頭の片隅に入れておくとよいでしょう。
「当社の家づくりQ&A」について補足していきます。
今回は「2.そのための手法は?」について。
1.の項では
「20~30代でも手が届く価格で、一生住める高品質な注文住宅を提供します」
と書いています。
そのためのコストダウンの手法として
「単純な形で最小限の大きさの箱とすることと、良質な既製品を積極的に採用する」
と書いています。
その理由をもう少し具体的に説明します。
単純な平面形態にすることの効果は2つあります。
1つは架構(構造体としての軸組)が合理的になるので材積(構造材の体積)が減ること。
もう1つは凹凸が少ない平面・立面の形態ならば、床面積に対して外壁の面積が少なるということです。
材積や外壁面積が減れば当然、その分の材料費やそれを取り付ける手間賃が下がります。
既製品(工業製品)は性能や機能の点で優れているものが多く、その割に価格が安いのが特徴です。
特に窓や流し台・浴室に関しては、現場製作でサッシやシステムキッチン・ユニットバスと同等のものは作れません。
現場で加工することを前提とすると、使える材料や部品、加工機械などに制約があるからです。
サッシは排水機構と気密性を両立させるために複雑なかたちの断面になっていて、町の建具屋ではつくれません。
システムキッチンの様々な収納も同じです。
ユニットバスの完璧な水密性も現場で作り上げるのはかなり困難です。
こうした基本性能が高い既製品のうち、余計な装飾や機能が付加されていないものを選ぶと、コストダウンにつながると考えています。
「当社の家づくりQ&A」についてホームページで公開しました。
このQは、施主が知りたいと思う項目を客観的に知るために、外部の某建築系フリーライターに設定してもらいました。
今回からこのQ&Aについて菅沼が補足していきます。
まず「1.家づくりの方針は?」についてです。
この項では
「20~30代でも手が届く価格で、一生住める高品質な注文住宅を提供します」
と述べました。
20〜30代の住まい手の場合、自分達が建てた家に50年以上暮らす可能性があります。
その期間、建物を健全に保つために、建物としての耐久性を上げることや、メンテナンスをし易い造りにすることが大事だと考えています。
単純な形態や構造で作り、交換が容易になるような取り付け方を採用する、という方針を優先しています。
同時に重要なのが、間取りの可変性です。
50年の間には家族構成が代わり、仕事が変わり、趣味も変わります。
加齢によりからだも衰えます。
まずは、用途を限定し過ぎた間取りにしないことを目標にしています。
さらに、リフォームで対応し易い様な簡易な造りにしておくことで、長期間ストレスなく住み続けることが出来ると考えています。
具体的には、なるべく仕切りがなくてオープンな間取りにしておくということになります。
子供部屋などは家具で簡易に仕切ることをまずは考え、後から壁を立てて個室をつくることも想定しておきます。
ロフトを設けるのも有効です。
最初は収納の予備スペースとしておいて、子供の人数が増えたら子供部屋にしたり、子供が独立して家を出たらその部分を趣味室にするといった使い方が可能です。
打合せの途中で、プランがまとまった頃に施主のAさんが模型を作ってきた。
こちらはCADによるパースを中心にしているので、久々に見た模型だった。
これを見ていると、もう家が建ったような気分になる。
9月6日の上棟の様子。
屋根は2.5寸勾配で、作業時は上を歩き易い。
勾配天井部分は断熱材のおさまりのために落とし込み垂木を入れている。
新築の横にあるのは茅葺屋根を瓦葺き屋根に載せ替えた母屋で、築100年くらいは経っているとのこと。
この新築が行われているところにも古い納屋が建っていた。
その納屋の土庇を再現すべく、玄関横に屋根下の外部スペースを計画している。
この家は許容応力度計算によって、耐震樋級3を取得している。
(菅)
もうすぐ完了検査を控えたT邸の工事記録。
写真は4月1日の上棟の様子。
1枚目は小屋束を垂直に保つための上り梁を入れている様子。
2枚目は屋根断熱の厚み155㎜高性能グラスウールを垂木間に入れるための落とし込み垂木を入れている様子。
野地板は厚12の針葉樹構造用合板。小屋裏に部屋を持つ2階建てで屋根勾配は5.5寸勾配。
下屋部分には玄関と水回りなどが納まる。
屋根葺き材は、JFE製カラーガルバリウム鋼板「極みMAX」厚0.35を使った、セキノ興産「立平ロック20」。
初めて採用した色のスターゴールドは、落ち着いた雰囲気を出している。
構造用面材はノボパン。
6月~7月 外壁はアイジー工業製「ガルボウ」。
軒天と外壁の玄関廻りの厚12杉相ジャクリ板は施主により白色に塗装されている。
猛暑の中、Tさん達の塗装の日々が続いた・・
(森)
この家には近い将来に薪ストーブを設置するという計画があり、眼鏡石を壁の中に予め設置している。
外壁は施主が塗装した12×180の杉板を120mmの間隔をあけて張り、左右30mmずつを重ねてその上に同材を張る大和張りとしている。
外壁材が縦張りなので横胴縁となるが、透湿防水紙の上を流れる水を横胴縁で堰き止めることが無いように、7×45の通気胴縁(木摺り)で横胴縁24×48(桟木)を浮かせている。
杉板を留めているステンレススクリュー釘は1層目38mm・2層目50mmで、木摺りのお陰でかろうじて透湿防水紙を貫通しない。
外壁内を通った空気は軒天井の裏へ流れ、野地板の下に取り付けた「通気くん」の30mmの通気層を通り、棟木に取り付けた換気部材と棟木付近の軒天井の換気口から外へ抜ける。
(菅)
施主は近所の里山散策の最中にこの土地を見付けた。そこから土地売買の交渉が始まり、ようやく建設までたどり
着いた。その過程での体験は、実際に行動した人にしか分からない手応えがあったことと思う。
土地購入後も、複雑に分筆されていて所有権が分かれている位置指定道路、その道路に埋設されていて利用出来るかどうか分からない給水引込み管、雨が降ると車が走れないほどぬかるむ進入路、など解決しなくてはならない条件が続いた。
建物の計画が終わり、建設作業が始まった。
上棟の日は好天に恵まれた。
ここまでの道のりからすると、現場での一連の作業は次々とあっけないくらい短時間で終わてしまうと施主は感じるかもしれない。
(菅)
全熱交換機へつながる断熱ダクト、給水給湯の架橋ポリエチレン管、2階トイレとミニキッチンからのVU防音排水管、分電盤に集中させているVVFケーブルと幹線ケーブル、LAN配線用のCD管、停電時に切り替わる4回路分のバッテリーへのケーブル、などが見えている。
排水管は勾配を取る必要があるため自由にならず、換気用ダクトの方がよけている。
防音排水管はパイプスぺースを設けて壁の中に納める。
居間の上部にある大きな吹き抜けに架けられた仮設足場の様子。
作業を安全に効率よく進めるためには、足場をしっかりと作る手間を惜しんではいけない。
足場を作るために時間がかかっても、結果的には早く終わることが多い。
安全で効率を上げる仮設足場は、出来栄えにも良い結果をもたらす。
DIY漆喰塗では、最初に物入などで慣れた後に広い部屋を塗る。
(菅)
昨年の夏から始まった「鴨川の家2」の記録。
国道からそれて延々と山道を上ると敷地にたどり着き、絶景を眺めることが出来る。
砂利道から反対側の南の隣地境界線まで4m以上下がる高低差を克服するために、高基礎を2m立ち上げて基礎内を物置として使うことにした。
このような高低差がある敷地の場合、建設費総額の1/3近くを基礎工事が占めることになる。
根伐り量を減らすため、基礎を小さくする工夫として1階木造部分の南側を基礎から910mm跳ね出すこととした。
さらに高基礎は外周のみ土留めとして設定し、基礎内部は木軸で1階床を支える構造とすることで基礎工事の価格を落とした。
房総半島は泥岩で地形が出来ている。
ここも少し掘ると泥岩が出てくるため、地盤は安定しているが根伐りには時間が掛かる。
1階床組には大工2人で2日を要したが、基礎工事2か月の後、ようやく上棟となった。
施主は電気職人なので、電気工事と仕上げ工事(大工・建具・設備設置)を自分で行う。
当方は屋根・外壁・断熱材取付・水道配管と浄化槽などの工事を行う。
(菅沼)
土台敷きと同時に足場架けが始まりました。
毎日天気予報が気になります。来週火曜日に上棟です。
M
「当社の家づくりQ&A」について補足していきます。
今回は「3.コストはどのくらい?」について。
この項ではコストの目安について述べていますが、「インフラ整備を除く」としています。
そのインフラ部分のコストについて説明します。
インフラ整備とは、主に公共の上下水道と接続するための費用です。
当社の施工エリアでは下水道はほぼ整備されておらず、合併浄化槽を設置することがほとんどです。
この場合、浄化槽で基準値以下の水質にした汚水を道路側溝や決められた河川に流します。
側溝や河川までの距離があるとそこまでの配管の費用が嵩みます。
近くに側溝などがある場合は合併浄化槽の設置だけなので最小50万円程度で済みますが、側溝などへの距離があるとトータルで150万円程度掛かることもありました。
道路側溝などの排水設備が近くに無い場合、宅地内処理となります。
土質や地下水位により採用する処理方法は異なりますが、ここにも50万円以上の費用が発生するケースがあります。
同様に上水道も引き込み費用が敷地によって変わります。
道路本管が敷地に近く、さらに砂利舗装などの場合は50万円程度で済むこともありますが、道路本管が県道の反対車線などの場合は150~200万円程度掛かることもあります。
配管ルートが公道をまたぐと埋め戻しのアスファルト舗装の範囲が広くなり、舗装復旧費だけで150万円程度掛かる、などということがありました。
この他、軟弱地盤の場合の地盤改良工事が必要となり、杭打ちなどに80万円程度かかることがあります。
このようにインフラ整備のコストは敷地条件によって大きく変わります。
建築コストというより土地購入費用の一部と考えるべき条件と考えます。
これは土地の価値とも言えるもので、土地購入の交渉の際に「上水道の引き込みの費用を考慮した値段にして欲しい」という条件を付けることも考えられます。
インフラ整備のコストを視野に入れると、古屋付きを物件の方が利点がある場合もあります。
解体費用が100万円程度掛かったとしても、少なくとも上水道は必ず引き込まれているからです。
土地購入の価格の判断において、解体費用とインフラ整備の費用を確認して比較することが必要です。
土地探しの際には、このことを頭の片隅に入れておくとよいでしょう。
「当社の家づくりQ&A」について補足していきます。
今回は「2.そのための手法は?」について。
1.の項では
「20~30代でも手が届く価格で、一生住める高品質な注文住宅を提供します」
と書いています。
そのためのコストダウンの手法として
「単純な形で最小限の大きさの箱とすることと、良質な既製品を積極的に採用する」
と書いています。
その理由をもう少し具体的に説明します。
単純な平面形態にすることの効果は2つあります。
1つは架構(構造体としての軸組)が合理的になるので材積(構造材の体積)が減ること。
もう1つは凹凸が少ない平面・立面の形態ならば、床面積に対して外壁の面積が少なるということです。
材積や外壁面積が減れば当然、その分の材料費やそれを取り付ける手間賃が下がります。
既製品(工業製品)は性能や機能の点で優れているものが多く、その割に価格が安いのが特徴です。
特に窓や流し台・浴室に関しては、現場製作でサッシやシステムキッチン・ユニットバスと同等のものは作れません。
現場で加工することを前提とすると、使える材料や部品、加工機械などに制約があるからです。
サッシは排水機構と気密性を両立させるために複雑なかたちの断面になっていて、町の建具屋ではつくれません。
システムキッチンの様々な収納も同じです。
ユニットバスの完璧な水密性も現場で作り上げるのはかなり困難です。
こうした基本性能が高い既製品のうち、余計な装飾や機能が付加されていないものを選ぶと、コストダウンにつながると考えています。
「当社の家づくりQ&A」についてホームページで公開しました。
このQは、施主が知りたいと思う項目を客観的に知るために、外部の某建築系フリーライターに設定してもらいました。
今回からこのQ&Aについて菅沼が補足していきます。
まず「1.家づくりの方針は?」についてです。
この項では
「20~30代でも手が届く価格で、一生住める高品質な注文住宅を提供します」
と述べました。
20〜30代の住まい手の場合、自分達が建てた家に50年以上暮らす可能性があります。
その期間、建物を健全に保つために、建物としての耐久性を上げることや、メンテナンスをし易い造りにすることが大事だと考えています。
単純な形態や構造で作り、交換が容易になるような取り付け方を採用する、という方針を優先しています。
同時に重要なのが、間取りの可変性です。
50年の間には家族構成が代わり、仕事が変わり、趣味も変わります。
加齢によりからだも衰えます。
まずは、用途を限定し過ぎた間取りにしないことを目標にしています。
さらに、リフォームで対応し易い様な簡易な造りにしておくことで、長期間ストレスなく住み続けることが出来ると考えています。
具体的には、なるべく仕切りがなくてオープンな間取りにしておくということになります。
子供部屋などは家具で簡易に仕切ることをまずは考え、後から壁を立てて個室をつくることも想定しておきます。
ロフトを設けるのも有効です。
最初は収納の予備スペースとしておいて、子供の人数が増えたら子供部屋にしたり、子供が独立して家を出たらその部分を趣味室にするといった使い方が可能です。
ちなみに50〜60代のシニア層の終の住処の場合、間取りはシンプルであることを優先に考えます。
これまでの生活経験からオーソドックスな間取りを望まれる建て主が多いというのもありますが、人に貸し易い、あるいは売却し易いというのもその理由です。
人生の終盤には高齢者施設に入るケースが増えているので、そのときの費用に充てるためにも家を貸し易い様に考えておくことが有効です。
多くの人に対応出来る間取りが、結果的に家を長く活用出来るということにつながります。
玄関土間に置かれた敷台の陰がシロアリの食害を受けており、隣接している柱の根元もシロアリに食われていた。
ここが20mm程度沈下していたため、根継ぎして交換することを決めた。
油圧ジャッキと支保工で梁の下端を支え、丸ノコを入れる。
厳島神社では、柱や床束の根継ぎに金輪継ぎが使われているのを見たことがある。
ここでは棟梁のやる気に任せて、四方鎌継ぎとしている。
組み上がった継ぎ手を見る限り、どのようにすれば組めるのか分からない不思議な継手なのだが、組む前の形を見るとなるほどと納得する。
根継ぎが終わって、敷居も交換し、床組を行う。
昔の材料は「分(ぶ)」が決まっていないものが多く、その場その場で材寸を合わせていく必要が出てくる。
根継ぎした柱は4寸5分角で、現在は需要が無いため市場には無く、近くの製材所で挽いてもらった。
その他の材料も材寸調整のために可搬型自動カンナ盤を現場に持ち込んでいる。
4年前の2016年に竣工した「おゆ野の家」の現在の様子です。
2階の外壁はメンテの必要のないガルバリウム鋼板、1階の木の外壁は塀の横板と同時に昨年塗装をしたそうです。
1階なら足場を立てる必要がないので「外壁を木にしたいけれど、メンテをどうしよう」と迷われている方に
こちらの張り分けをご提案しています。
4月に着工した歯科医院が7か月の工期を経て明日から開業となります。
昨今のコロナ禍で追加された換気設備機器の様子。
診療台に座った患者の頭の上から外気を吹き込み、足元から外へ排出する。
取り込まれる外気は熱交換型換気設備により室内空気から熱を交換し、必要に応じて水道水により加湿される。
写真は排気口を設置する裏側のダクト接続用ボックス。
住宅ではこのような換気設備用のダクトを見掛けることがほとんどなく、分業の業態を知らなかった。
設備機器を設置して、冷媒管やドレイン管をつなぐ「設備屋」と、ダクトを設置する「ダクト屋」は別の業者となることを初めて意識した。
ダクト屋はこのような注文製品をダクト部品専門の板金屋に製作させる。
当初は開放的だった診療室は確認申請後に変更を加え、診察台一つ一つに分かれる間仕切り壁を設置して各ブースに分かれることとなった。
新たに設置することとなった間仕切り壁の一部をダクトスペースとして利用し、配管している様子。
吸気と排気は別の面で行っている。
天井カセット式エアコンと同時に使用し、なおかつ空気清浄機も別個に単体作動する、入念な室内環境維持装置が導入された。(菅沼)
一宮の平屋は完了検査を終え施主による漆喰作業が始まっています。
M
先週半ばに各設備機器の担当者が墨出しした内容に沿って配管工事を進めました。
給排水以外にエアー、バキューム、これだけの量の配管です。
「東浪見の家2」の大工工事もあと数日で終わります。
上の列左側の写真は洗面所。集成材のカウンター下は施主によるタイル貼り。
壁厚を利用した棚は洗面台の背面になります。
今回も壁は施主による漆喰仕上げとなります。
M
工事記録→ブログ「東浪見の家2」
これは施主から届いた写真。
新型コロナウィルス感染拡大により在宅勤務となった施主から、自宅のセルフメンテナンスの報告を頂いた。
竣工から6年という時間が経った杉板の外壁の再塗装を施主自ら行い、仕上がった様子。
シルバーグレーの再塗装で、当初よりも濃い色になったのが伺え、より引き締まった印象となった。
脚立で塗装出来る様にと考えて、1階の玄関周りだけを木製外壁としている。
こちらは施主自作の新作ベッド。
自作ダブルベッドの簡単なポンチ絵を竣工直後にお渡ししたのを記憶しているのだが、そこから応用しての自作シングルベッドである。
ステイン塗装の色合いや、ヘッドボードの裏側に間接照明を仕込む辺り、施主のセンスが光る。
ともすれば閉塞感に悩まされがちな在宅勤務という生活に、家のメンテナンスと家具製作で新鮮な気分を吹き込んでいる様子が伝わってくる。
放置している自宅の手入れを私もやってみようかなと思う。
(菅沼)
施工事例「一宮の家」
外構工事の中での公設桝の設置工事の様子。
ここはかつて湿地だった場所で、茶色の粘土層の下は黒い粘土で層が分かれている。
雨が降った後で、砕石の下に溜まった雨水が掘った穴に流れ込み、作業を中断して排水している。
U字溝の下をくぐって歩道の下水本管につなげるのだが、歩道の工事に先立って宅地内の配管を行った。
外構工事の都合でこの工程になったが、本来なら歩道の工事から行った方が工事はやり易い。
西側のRC土留め工事の様子。
高さの8割程度のベース幅としている。
隣地のコンクリートブロックは置いてあるだけのようで、10cm程度の土を残して、型枠を組むためのスペースを残して配筋を行った。(菅沼)
工事記録→ブログ「歯科医院」
白を基調にブルー系の差し色で統一しました。
個室の引き違い戸だったものは両引き分けにして大きく開口できるようにしたことでLDKとの一体感をもたせました。
M
工事記録→ブログ「集合住宅(個室)の改修工事」
施主が週末を利用してDIY作業を進めている「蓮沼の家」に久しぶりに行ってみました。
キッチン周辺や水回りがほぼ完成。
大工的な作業はまったくの未経験ながら、こつこつ進んでいる様子にほっとします。
M
工事記録→ブログ「蓮沼の家」
今年の1月に着工した「東浪見の家2」は国道沿いに建つ店舗併用住宅です。
6坪の小さい店舗の外壁は施主による塗装でした。
3月の晴れた日に黙々と作業をされていました。
写真は3月の様子。
M
工事記録→東浪見の家2
ペットと泊まる貸別荘RenuⅡ(レニュⅡ)が竣工しました。
施主による外構工事(駐車場、芝張り、ウッドデッキ、パーゴラ)も完成です。
ドッグランの柵の向こう側、隣地の庭の先は九十九里海岸です。
竣工写真は後日アップします。
M